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溶連菌感染症について
溶連菌感染症とは、A群β溶血連鎖球菌という細菌による感染症をいいます。春から夏にかけてと、冬季の2つの時期をピークとする流行が見られます。 咳やくしゃみなどでうつる飛沫感染で、4、5才から小学生のお子さんに多く流行し、学校や園、あるいは家庭内でも(大人を含めて)うつしあうこともあります。合併症を引き起こす事があり、注意が必要です。
症 状
溶連菌がのどに感染し、2~5日の潜伏期のあと、熱、咳、のどの痛みが出てきます。 体のだるさがあったり、手足が真っ赤に腫れたり、体にブツブツ発疹が出たり、舌がイチゴの表面の様にブツブツした状態(イチゴ舌)になったりすることもあります。治 療
のどの検査で溶連菌感染がはっきりしたら、抗菌薬(抗生物質)の使用が基本になります。治療開始後、丸1日~2日で熱は下がり、のどの痛みも1週間以内に治まることが殆どですが、再発や合併症(リウマチ熱、腎炎など)を防ぐため、抗菌薬を10日~14日間飲みます。途中で止めず、処方された抗菌薬は飲みきることが大切です。合併症
溶連菌に感染してから数週間後に、以下のような合併症がまれに見られます。①急性腎炎:突然尿量が減り、血尿、むくみ、高血圧が出現します。まれに急激な血圧の上昇のためにけいれん、嘔吐などを伴う場合があります。
②アレルギー性紫斑病:お尻から下肢にかけて紫色の出血斑が出たり、腹痛や関節痛、むくみが出たりします。
③リウマチ熱:突然の発熱と関節痛、心臓の炎症に伴う胸の痛みなどが現れます (溶連菌感染時の抗菌薬の服用が普通になり、最近では殆ど見られなくなりました)。
登園・登校
抗菌薬を飲み始めて24時間以上たてば伝染性は殆どなくなります。 治療開始後24時間は登園・登校禁止となりますが、それ以降は登園・登校可能です。こんな時には再診を
・治療が始まって2日以上経過しても熱が下がらないとき。・同じ時期に家族内でのどの痛みや熱があれば、その方も受診をお勧めします。
・治ったあと数週間たってから合併症が出ることがあります。尿の色が変化したり、むくんだり、元気が無くなっている様子があれば、早めに受診しましょう。