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ヒブ感染症とヒブワクチン
ヒブとは?
正式には ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型(Haemophilus influenzae Type b)と呼びますが、省略してHib(ヒブ)と呼ばれます。冬場に流行するインフルエンザウイルスとは全くの別物で、肺炎や中耳炎、髄膜炎、喉頭蓋炎などを引き起こす細菌の一種です。
細菌性髄膜炎
脳の表面を覆っている、髄膜という膜に病原体が感染して炎症を起こすと髄膜炎になります。発熱、頭痛、嘔吐が主な症状ですが、顔色が悪くぐったりしたり、ひきつけを起こしたり、意識が無くなったりもします。治療は入院して抗菌薬(抗生物質)などの点滴となりますが、抗菌薬が効きにくい耐性菌も多くなっていて、治療に難渋することもあります。一般的にはウイルス性の髄膜炎はさほど後遺症は残さないと言われていますが、細菌性髄膜炎では約2%のお子さんが亡くなり、ヒブによる細菌性髄膜炎で脳の後遺症を残す割合は(死亡例を含めて)約18%と言われています。また、後遺症なく治ったと思われたお子さんが、中学生頃になって軽い知能障害が現れることもあります。
ワクチンで予防!
ヒブワクチンは、ヒブによる重症の感染症を予防する唯一の手段です。日本では2008年から発売され、2013年度から定期接種となっています。お勧めのスケジュールは、肺炎球菌ワクチンと同時期に、
●生後2ヶ月ちょうどから接種開始、1ヶ月間隔で合計3回
●3回目の接種から概ね1年後(7カ月後~13カ月後)に4回目
と考えています。生後4ヶ月頃からヒブや肺炎球菌による髄膜炎にかかるお子さんが増えるため、最初の3回を早めに済ませるようにしましょう。予防できる病気のワクチンを受けずに、かかって重症になったり命にかかわったりしたら悔やんでも悔やみきれません。接種できる生後2ヶ月になったその日に接種するぐらいのつもりで、早めに受ける事をお勧めします。
また、0歳児は他にも接種が必要なワクチンが多数あります。生後2ヶ月になったら、ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンの他に、ロタワクチン、B型肝炎ワクチンとの同時接種で開始し、生後3ヶ月になったら四種混合(DPT-IPV)ワクチンも加えて同時接種で受けるのがおすすめです。