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子どものB型肝炎と、ワクチンについて
(2016.10.改訂)どんな病気?
B型肝炎ウイルス(Hepatitis B Virus, HBV)に感染すると、発熱、全身倦怠感、食欲不振、悪心嘔吐などの症状が現れることがあります。その後、肝臓が腫れて腹痛が出現したり、黄疸と言って白目の部分や皮膚が黄色っぽくなったりします。これが急性B型肝炎の症状です。中には不顕性感染と言って、HBVに感染しても自分の免疫の働きでウイルスを排除し、自覚症状がないまま治癒していくこともあります。
HBVに感染した後、ウイルスを排除しきれずに体内に持ち続ける状態を「キャリア」といいます。大人が感染した場合は10%程度ですが、子どもが感染した場合はキャリアになる頻度が高いとされ、1歳未満では90%程度の割合でキャリアになるとも言われています。キャリアになっても症状がほとんど無く、検査をして初めて感染していることがわかります。その後、慢性的に肝臓に炎症を起こして慢性肝炎となり、その状態が続くと肝硬変、肝がんへと進行する可能性もあります。
どうやってうつるの?
B型肝炎の患者さんやキャリアの人の、血液、汗、唾液、涙などから感染します。分娩・出産時の母子感染がよく知られていましたが、出生後早期から始まる母子感染の予防処置によって若い人のHBVキャリアは激減しました。しかし最近になって、子どものキャリアのうち3~4割は周囲との接触による感染であることが明らかになり、新たな問題となっています。父親や兄弟姉妹、祖父母からの家族内感染だけでなく、保育園などの集団生活での感染例も国内で報告されています。 感染しても症状が現れないためHBVキャリアであることを自覚できず、自分自身が感染源になったまま家庭生活や集団生活を送っている可能性もあり得ます。
ワクチンで防ぎましょう
B型肝炎は、ワクチンで予防することができる病気です。感染する年齢が低いほどキャリアになりやすいため、できるだけ早い時期に接種しましょう。生まれてすぐにも接種できますが、ヒブ・肺炎球菌ワクチンを接種開始する2ヶ月時に、同時接種でB型肝炎ワクチンも始めるスケジュールが標準的です。 ワクチンは全部で3回接種します。1回目と2回目は4週間間隔で、3回目は1回目の5-6ヶ月後に接種します。 ワクチンは全部で3回接種します。1回目と2回目は4週間間隔で、3回目は1回目の5-6ヶ月後に接種します。
さいごに
016年10月から定期接種に切り替わりました。2016年4月1日以降に生まれた1歳未満のお子さんが対象となり、他の定期接種と同様に無料で接種できます。また八王子市に住民登録があり、接種当日3歳未満でB型肝炎ワクチンの3回接種を完了していないお子さんは、残りの回数分に対して市の独自の費用助成があり無料で接種できます(2017年3月31日まで)。詳細は下記ホームページを参考にしてください。(八王子市以外は費用助成が無い所が殆どですが、詳細はお住まいの各自治体にご確認ください)
http://www.city.hachioji.tokyo.jp/hoken_iryo/1077/054942.html
3才以上のお子さんは、残念ながら費用の助成は無く自己負担での接種となります。しかし、もしもかかってしまうと将来の肝臓がんにつながるウイルスです。なるべく早期にワクチン接種をして予防をしてあげることをお勧めします。