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RSウイルス感染症
RS ウイルスは、主に冬から春にかけて毎年流行する、非常に感染力の強いウイルスです。冬のかぜの一種で、咳や鼻水などのかぜ症状から始まります。毎年流行が見られ、1 才までに約70%のお子さんが、3才までにはすべてのお子さんが RS ウイルスに感染すると言われています。呼吸の機能が未発達な乳幼児が初めて感染すると、気管支炎や肺炎となって重症化する場合があり、注意が必要 なウイルスです。(児童や大人でもかかりますが、通常のかぜ症状のみで終わることが殆どです)
感染経路
RS ウイルスは、くしゃみや咳などで空気中に飛び散ったウイルスを吸いこんだり、よだれや鼻水が付いたオモチャやドアノブなどを触った手で目や鼻や口を触ったりすることで感染します。症 状
まず鼻水から始まり、38-39度の発熱と咳が出ます。軽度のかぜ症状で治まる場合もありますが、乳児が初めて感染すると、肺炎や気管支炎、細気管支炎を起こす場合が3~4割ぐらいあると言われています。ゼイゼイしたり咳込んだりして呼吸が苦しい状態になり、喘息と同じような症状になりますが、殆どは1‐2週間で回復します。 RSウイルスで肺炎などになったことがあるお子さんは、回復した後しばらくたっても別のかぜにかかった時に早期からゼイゼイや咳の悪化が見られるようになるため、早めの対処が必要となってきます。診断・治療
鼻水を綿棒で取って、迅速検査で判定をすることができます。ただし、この検査は入院患者さんと、外来では1歳未満のお子さん(先天性心疾患や慢性肺疾患など重症化するリスクを持っているお子さんは2歳未満)のみが健康保険の適応となります。1歳以上でリスクのないお子さんの外来での検査は自費検査となります。RSウイルスに対する根本的な治療はなく、抗菌薬も効きません。鼻水や咳、熱などの症状を緩和するお薬を使いながら、安静にして栄養を取って経過を見ます。乳幼児の場合は病状が急に変化する可能性がありますので、呼吸が早い、顔色が悪い、咳が続いて苦しそう、おっぱいやミルクの飲みが悪いなどの症状があれば、迷わずにすぐに受診して下さい。
周りに感染しているお子さんがいる場合は手をこまめに洗ったりうがいをしたりして予防に心がけましょう。また、ウイルスの攻撃を受けても対処できるよう、睡眠や栄養を十分にとって自分の抵抗力 ( 免疫力 ) を保ちましょう。