病気のお話

水痘(みずぼうそう)

 水痘は、麻疹(はしか)に次いで感染力が強いウイルスの疾患です。季節は12月〜7月に多く、8月〜11月は比較的少なくなります。殆どは9才以下のお子さんがかかります。保育園や幼稚園など、集団生活で流行することが多くなります。

 潜伏期間は約2週間、10日~21日になります。主な症状は水疱を伴う発疹と発熱です。発疹は、発赤、発疹、水疱、痂皮化と変化していきます。一般的には軽症で済みますが、中には重症化したり合併症を起こしたり死亡したりする場合もあります。発症した場合は、症状を軽症化させるために抗ウイルス剤の内服を始めます。発症後48時間以内に治療開始すると有効性が高いと言われています。また、かゆみに対して塗り薬を併用することもあります。

 水痘が軽症で治癒した後も、神経節という所にウイルスが長期間(終生)潜伏感染し、高齢化や疲労などで免疫力が低下した時にウイルスが再活性化して帯状疱疹を発症する可能性が、将来にわたって20%程あるとされています。 一昔前は「みずぼうそうは、かかってしまった方がいいんだ」という意見もありましたが、合併症や帯状疱疹のリスクも考えて、是非ワクチンで予防してあげましょう。

 なお、妊娠初期の女性が水痘に感染すると、2%程の確率で赤ちゃんが「先天性水痘症候群(低出生体重、四肢低形成、眼球異常、水頭症、小頭症など)」という病気にかかるリスクがあります。また、出産5日前〜出産2日後に妊婦が水痘を発症すると、赤ちゃんが無治療のままでは生後5~10日後頃に水痘を発症して約30%が死亡してしまうとされています。
家庭内の接触では、罹患率が90%との報告があります。妊婦の水痘は本人も重症化しやすいとも言われており、注意が必要です。

参考資料 水痘ワクチンに関するファクトシート(厚生労働省、国立感染症研究所) http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000bx23-att/2r9852000000bxqx.pdf

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南大沢メディカルプラザ2 小児科

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