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夜尿症(おねしょ)のおはなし
小学校に入学しても、月に1回以上のおねしょが3カ月以上続く場合を、「おねしょ」と区別して、「夜尿症」といいます。
「うちの子」だけと思われがちですが、実は夜尿症のあるお子さんは、小学校入学時で10%を超え(10人に1人以上)、10歳を過ぎても5%前後いるといわれています。
原因
夜尿症の主な原因には、次のようなものがあります。
①夜のおしっこの量が多い
②おしっこを貯める膀胱が小さい
③夜間おしっこが出そうになった時に、目が覚めない。
いずれも場合も、お子さんの体の成長によって改善するものなので、叱ったりしても良くはなりません。かえって、叱ることで、お子さんの自信(自己肯定感)を損ねることもあります。また、漏れないようにと、夜中に起こすことはホルモンの分泌を悪くする原因にもなります。
夜尿症は年齢があがるにつれて、自然に軽快する方が毎年10~15%いますが、長引く場合、子どもにとって精神的ストレスや外泊をためらう原因になったり、心理面・生活面に影響をおよぼすことがあります。
夜尿症の治療では、自然経過に比べて治癒率を2~3倍高めることができます。
治療
夜尿症の治療には、①生活指導、②薬物治療、③アラーム療法などがあります。
治療の際には、まずお話しを詳しく伺い、診察、尿検査、超音波検査などをして、隠れている病気がないか、また夜尿の原因はなにかを確認します。夜尿症と診断されたお子さんには、ご本人、ご家族の協力のもと、最初に生活の見直しをします。
生活習慣に気をつけることで、夜尿症が良くなる方もいます。生活指導で改善されない場合には、お薬を飲んだり、アラームを使ったりしながら治療をすすめていきます。
治療を行っていく上で、ご家族は、「ほめる」「比べない」「怒らない」「起こさない」「焦らない」気持ちで接することが重要です。また、ご本人の夜尿症を治したいという気持ちも大事になってきます。
夜尿症の治療は、つらいばかりでは長続きしません。ご本人、ご家族が前向きに関われる心理的サポートも含めて治療を行っていきましょう。
南大沢メディカルプラザ2小児科 新井田麻美
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