close

column医療コラム

  1. HOME
  2. 医療コラム

糖尿病内科コラム

糖尿病の分類について

 糖尿病のタイプには大きく分けて、「1 型糖尿病」、「2 型糖尿病」、「その他特定の機序疾 患によるもの」、そして「妊娠糖尿病」の四つがあります。これらは主に糖尿病が起こる 原因から分類されたものです。

1 型糖尿病

 このうち、「1 型糖尿病」とよばれるものは、体の中の膵臓という臓器から血液中に分泌 される「インスリン」というホルモンの分泌がほぼ全くなくなってしまうもので、そう なると生命を維持する為には、体の外からインスリンを補わなくてはいけません。つまり、 この「1 型糖尿病」では通常インスリン注射による治療が必須となります。

 この「1 型糖尿病」の多くは若年者に発症します。ただ成人になってから徐々にインス リン分泌の低下が進行していく場合もあり、「緩徐進行型1 型糖尿病」と呼ばれるものも あります。通常、血液検査で抗GAD 抗体などの自己抗体が陽性となり診断されます。

2 型糖尿病

 次に「2 型糖尿病」では、インスリン分泌の低下を主体とするものと、インスリン抵抗 性が主体で、相対的にインスリンの不足を伴っているものなどがあります。日本では圧 倒的にこの「2 型糖尿病」と呼ばれる糖尿病が多く、主に複数の遺伝因子に、さらに食 べ過ぎ、運動不足などの生活習慣に関わる因子が加わって発症すると考えられています。 このタイプの糖尿病は遺伝的な素因が深く関与しているため、家系内の血縁者に糖尿病 の方がいる場合には特に注意が必要となります。「2 型糖尿病」でも、血糖コントロール の為にインスリン治療が必要となる場合もあります。

妊娠糖尿病など

 この他にも「その他特定の機序疾患によるもの」「妊娠糖尿病」があります。「その他特 定の機序疾患によるもの」にはある特定の薬物が原因で起こってしまう糖尿病や、肝硬 変といった肝臓疾患などから起こる糖尿病等が含まれます。「妊娠糖尿病」はその名の通 り、妊娠中に起こる糖尿病です。

 もしご自身が糖尿病と診断されたら、どのタイプの糖尿病に入るか知っておくことも大切です。

2013年9月7日
糖尿病・代謝内科 : 奈部 浩一郎
日本糖尿病学会糖尿病専門医