column医療コラム
耳鼻咽喉科コラム
日常生活で聞こえにくさを感じている方は難聴の可能性があります。一口に難聴と言っても、聞こえの神経が弱ってしまう感音性難聴や音がうまく伝わらない伝音性難聴、またはその両方が関係する混合性難聴など原因は様々です。
難聴の原因
感音性難聴の例としては、加齢に伴い神経が弱ってしまう加齢性難聴や突然聞こえが悪くなる突発性難聴などがあります。また伝音性難聴の例としては音がうまく伝わらなくなってしまう耳垢や中耳炎などがあります。突然聞こえが悪くなってしまう突発性難聴などの場合は早急な治療が必要な場合があります。
難聴が認知症のリスクを高くすることも
難聴があると、ご家族、ご友人とのコミュニケーションがうまくとれずに困ってしまったり、後方からの車の音が聞こえずに危険な思いをすることが考えられます(危険察知能力の低下)。また難聴が認知症発症のリスクを高くする可能性も指摘されています。これらは適切に補聴器を活用することで改善できる可能性があり、生活の質を向上させることが期待できます。補聴器にあまり良い印象をお持ちではない方もいらっしゃるとは思いますが、まずは試してみるだけでもおすすめします。
昨今、高齢化社会に伴い難聴でお困りの方が増加すると思われます。もし、ご自身でもご家族でも難聴でお困りの方がいらっしゃる時は一度耳鼻咽喉科を受診し、聴力の検査を受けてみてはいかがでしょうか。
2020年4月1日
耳鼻咽喉科:長井 恵一
日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医
補聴器相談医